コーチングの原則にのっとる

後輩教育を担うのは、看護師にとって重要な責務だ。
現場としても、戦力になる看護師を育て上げなければならない面がある。
現場の看護師に教育を担わせるのは、速やかに独り立ちできるレベルの人材に育て上げるために効率が良いと考えられているためである。
しかし、教育を担うのは負担も大きく、特に信頼関係をうまく樹立できなければ、なかなか実力が伸びていかないことが多い。

看護師はただ自分の技術や知識を伝えようとするのではなく、コーチングの原則にのっとって指導するというスタンスを持つのが重要だ。
コーチングの基礎を身につけておくと、トラブルなく後輩の教育を担えるようになりやすい。
その基礎は三つのステップで教育指導を行うというものであり、問いかけをして、内容を聞き、共感を示すというものである。
指導をする必要が生じた際、まず相手に何をしたいのか、あるいは何をしたのかを問いかけることから始める。
そして、その内容を丁寧に聞き、相手が言いたいことを全て話させることが重要だ。

その上で良し悪しを判断するのが基本だが、その際に良し悪しを問わずに共感を示すという形で指導を行うのが特徴である。
良い成果を上げられたときには一緒に喜び、失敗をしたときには相手も反省しているはずなので、同じように自分も考えるから次は頑張ろうという形で指導を行っていくのがコーチングの基本となっている。
このようにすると後輩は自分と同じように考えてくれる先輩だと理解し、信頼してくれるようになるだろう。